俺屍息子さんに100の質問(豪毅)




 御鏡家イロモノ三兄弟三男、豪毅への質問です。何度か書きましたが、紅蓮の祠でお夏から「あたしがつけ

てあげようか!身を焦がす大輪の恋の炎をサ!」と言われ、見事に炎をつけられてしまい(笑)以後俺屍部屋

一のバカップルとなりました。時期は勿論、お夏との交神が終わった後。大変暑苦しいのでご注意ください。

 


1. あなたのお名前は?



 御鏡豪毅と申します。どうぞ宜しくお願い致します(斜め45°)。

2. ご存じの方はその由来なんかを。



 ご覧の通り、私の面相はかなりいかついものでございまして…父上が『剛毅』という言葉をもじってつけて

下さいました。豪毅の豪の字は豪胆からとったのだそうでございます。父上から授かった名前に恥じぬような

漢にならねば、と常々思っております。

3. 現在の年齢と、わかれば誕生日・血液型を教えてください。



  現在は一歳四ヶ月、1033年の桃の節句生まれでございます。血液型、ですか。確かええ型と聞いております

(※A型)。

4. 髪の色、瞳の色、肌の色を教えてください。




 髪の色、瞳の色には火の力、肌の色には風の力が最も強く現れたそうでございます。色味は父上と全く同じ

でございました。

5. 身長、体重、靴のサイズ(笑)なんかも教えてください。



 身の丈は六尺六寸(198cm)、目方は二十四貫(90kg)でございます。足は一尺(30cm)ありますので、着物

にせよ履物にせよ、出来合いのものでは到底入らないので都の職人の方に特別にあつらえていただきます。

6. スリーサイズを教えてください(笑)上から順に。



 …はて。どうでしょうかな…着物をしつらえてもらう時に、裄丈や身の丈、腰周りなどは測ってもらったはず

でございますが…あまり気にする箇所でもないので覚えておりません、申し訳ありません(斜め45°)。いず

れにせよ、並の人よりはかなり大きいはずです。

7. あなたの口調、一人称、二人称は?



 口調は丁寧であると言われます。丁寧な言葉は美しいものです。一人称は私、二人称はあなたであったり殿

や様をつけたり名前であったりと、場合によります。同年輩や年下の者、イツ花には敬語は使っておりません

が、あまりくだけた物言いも致しません。

8. あなたの父君、母君のお名前を教えてください。



 父上は御鏡紫苑と申しました。何でも日下部家の初代御当主とお顔も髪、瞳、肌のお色もすべて同じであっ

たため紫苑、と名づけられたとイツ花から聞いております。母上は野分の前様、とてもお美しい女神様であら

れました。

 …私の顔がどこから出たのか、ですか…?それはどうも天界でも物議をかもし出したようですが、どうやら

私の曾祖母にあたられる方が牛頭丸様と交神されたそうなので、その血が出たのではないか、という方向に落

ち着いたようでございます。

9. ご職業は何ですか?



 壊し屋でございます。何しろ来訪当時、私は既に身の丈六尺を越えておりまして、これ以外にはありえない

と皆の意見が一致したそうです。どういうわけか、この時点で既に父上よりも大きゅうございました(苦笑)。

 ですが正直なところ、同行しているのが同じ一族とはいえ…婦女子の前であろうと何であろうとお構いなく、

尻を丸出しにするこの装束の意匠はいかがなものかと思います。もう慣れましたが、初陣の折は華織様(右3上

2女子・火髪水目火肌)が討伐隊長を務めておられましたので、相当に気恥ずかしかったと記憶しております。 

10. 愛用の武器はありますか?



 不動ノ大木槌でございます。火の力が強いので、これが一番しっくりくるようです。

11. 愛用の防具はありますか?



 特には…私はこの通り体の頑丈さには自信がありますし、そもそも私の体躯に見合う防具というものもそう

そうありませんから。当家では、いい防具は経験の浅い若い者に優先して渡すようにしております。

12. お気に入りの装飾品は?



 火の首飾りでございましょうか。不動ノ大木槌を使いますので、重宝しております。

13. 朱の首輪をつけたこと・・・あります?



 あれは興味本位でつけるようなものではございません。当家では蔵の奥に封印して参りましたが、九代目御

当主様(※凱)がたまる一方なので何とかしてくれと天界に掛け合って下さったので、今では朱ノ首輪を拾っ

てくることがあればイツ花に天界に持って行ってもらい、そこで浄化していただいております。

14. 奥義を覚えたら使っちゃいたくなる方ですか?



 これも興味本位で使うべきものではございません。私が壊し屋となった時分には、奥義はご先祖様方がすべて

作ってくださっておりましたので、皆体得してはおりますがいざという時のためのものだと思っております。

15. あなたのオススメ戦術は?



 そうですね、強い鬼相手には石猿と速鳥のかさねを行うべきでございましょう。梵ピンと陽炎の重ねという

手段もありましょうが、陽炎は絶対ではありませんから。

16. 携帯袋の中に常に入ってるものってありますか?



 そうですね、万金露、養老水、神仙水、引き波の御守は万一のことを考えて必ず入れるようにしております。

あとは洗濯板を。何故か、ですと?討伐先とはいえ、同じものをずっと着用しているのは衛生上好ましくあり

ませんから。

17. あとちょっとで迷宮最深部、というところで一月が経過。あなたなら続行しますか?それとも帰還?



 無理は禁物でございます。あと少しで最深部、ということまで分かっているのであれば、次に来る折にはど

こをどう通ればよいかも分かっているわけですから、ひとまず引き返してゆっくり英気を養い、次回に備えれ

ばよいと思います。

18. 夏の御前試合と白骨城討伐、どちらを優先したいですか?



 場合によるのではないでしょうか。初陣の者がいるようであれば、鬼相手よりは人相手の方が戦いに慣れる

にはよいと思いますので。

19. 実はあまり行きたくない迷宮ってあります?



 そのような生易しいことを言っていては、討伐など成り立ちませんので…ただ、紅蓮の祠や永久氷室へ赴く

場合は入念な下準備が必要でありましょう。暑さや寒さは、度を越せば命に関りますゆえ。

20. 逆にオススメな迷宮とか。



 人様におすすめできるような場所は特にございませんな…何しろ、どこに赴いても鬼がわらわらと出て参り

ますので。

21. カモにしやすい(笑)鬼っています?



 カモなどと言って油断していては痛い目に合いますから、たとえ弱そうな鬼であっても高をくくってはなら

ぬと思います。

22. 死にかけたことはありますか?差し支えなければ原因も。



 それは特にありませんでした。当主様や討伐隊長様、一族の皆のお陰であると思っております。

23. 漢方薬のお世話になったことはありますか?



 それも特にございません。先ほども申し上げましたが、お陰様で討伐先で命に関るほど危ない目にあったこ

ともなく、このとおり体も丈夫ですので。

24. お世話になってる術は?



 問いの15と多少重複致しますが、石猿、速鳥、円子、春菜でございましょうか。

25. リーダー、参謀、その他大勢。自分はどの位置だと思いますか?



 そうですね、討伐隊長ならばお勤めしたことがございます。ですが私自身は、どなたかが指揮されるのを隣

で補佐する方が性に合っているような気が致しますので…参謀、でございましょうか?

26. あなたは肉体派?それとも知能派?



 武人であっても、闇雲に力押しだけというのはあまり褒められたものではないと思いますので…策が用いら

れるようであれば用いますし、頭脳派な方ではないかと思います。ですが、このとおりいかつい面相な上に、

体格も並の人離れしておりますので、何かにつけ肉体派に見られがちなのが悩みでございます。尻丸出しの壊

し屋の装束がそれを助長しているような気も致します(苦笑)。

27. 責任感は強い方ですか?



 率いる立場であれ率いられる立場であれ、己の行動に責任を持たなければ、討伐先では皆の命にも関ります。

ですから強い方ではないでしょうか。

28. あなたは楽観的?それとも悲観的?



 どちらでもないと思います。目の前にある事実をあるがままに受け止める方だと思っておりますので、必要

以上に前向きにとらえたり後ろ向きにとらえたりすることはありません。現実的、と言う方が近いでしょうか。

29. 口より先に手が出るタイプですか?



 何はともあれ、暴力は褒められたものではありません。言葉が通じるならばまず話し合うべきでございまし

ょう。言葉が通じぬ鬼達相手では仕方ありませんが。

30. 他人に迷惑をかけるほう?それともかけられる方ですか?



 人様に迷惑をかけるようなみっともない真似はしないよう、常々心がけておりますので…どちらか、と言わ

れればかけられる方でございましょうか。

31. あなたの性格を一言でいうと?



 几帳面で朴念仁、とよく言われます。実際そうだと思います。

32. あなたの長所は何ですか?



 几帳面なところ、でございましょうか。

33. では短所は



 どうも几帳面に過ぎるらしく、細かいことを気にするのは苦手な性分の者からはたまに煙たがられることが

あります(苦笑)。しかし、装束の結び目のわずかなずれも許せぬものですから、こればかりはどうにも…。

34. 好きなことは?



 炊事、洗濯、掃除など。家事を好んでいたします。先代様(※獅子若。イロモノ三兄弟次男のライオン顔)

がご健勝であった頃は、先代様が掃除、私が洗濯を担当し、双方手があきましたら厨へ行ってイツ花の手伝い、

といった調子でした。

35. 嫌いなことは?



 雑然となっていること、でございますね。細かいことを気にしない性分の者といいますのは、脱いだ着物も

そのまま脱ぎ散らかしっぱなしでして…何故それで平気なのか、私にはよく分からない感覚でございます。口

煩く言うことは好きではないので、あまり小言の類は言いたくないのですが…放っておきますと脱いだものが

点々と屋敷内に放置されることになりますので(苦笑)。

36. 今一番の悩み事は?



 先日、私の息子が来訪したのですが…どういうわけか、額に角がある上に頭の毛が全くないのでございます。

どうにも不憫なので頭巾を被る大筒士としましたが、これも私のこの髪型がおかしな方向へ発露したせいでは

ないかと気になっております。この髪型、けして剃っているわけではなく、生まれつきこの部分にしか生えて

おらぬので…はて、どうしたものでございましょうか。

37. 休養中、何をして過ごしますか?



 イツ花の手伝いを致します。この屋敷は広い上、皆好き勝手に洗濯物を出すものですから、やることはいつ

も山積みでございます。これだけのことをか弱き女人一人に押し付けるのも、漢としていかがなものかと思い

ますので、家にいる時は手伝うようにしております。討伐隊が帰還すれば、人数も増えてイツ花のすることも

増えますから。そろそろ戦いからは身を引く歳になりましたので、今後は若い者の指導などをしつつイツ花の

手伝いをしていこうかと思っております。

38. 行きつけのお店とかってありますか?



 先ほども申し上げましたが、私は足にせよ体躯にせよ並外れて大きいため、履物から足袋から着物から、す

べて特別あつらえしなければなりませんので…履物や着物を取り扱う類の店にはよく参ります。

39. お祭りは好きですか?



 ええ、祭りは都中が活気付きますので好きです。以前豊年ムキムキ祭りに出てみようかとも思いましたが、

家中総出で止められたので結局為せぬままです。

40. 建立物のネーミング、どう思ってます?



 私は中々詩的なものだと思います。皆おかしいおかしいと申しておりますが。

41. 美人画屋さんに行ったことはありますか?また、好みの美人画は?



 元々美人画などの類にはとんと興味がありませんで…それに、今の私にはお夏様以外の女人は目に入りませ

ん(ぽっ)。

42. 相場を張るのに自信はありますか?



 おそらく不得手ではないとは思いますが、あまりそういうことに手を染めるべきではなかろうとも思います

ので、やったことはございません。

43. 仲の良い人はいますか?



 そうですね、もう亡くなりましたが先代の獅子若兄者、それに景綱(風髪風目火肌の鼻傷)と将綱(右1上1・

カラーは景綱と同じ)でございましょうか。

44. 親友と呼べる人はいますか?



 景綱、将綱ですね。この二人は双子の兄弟で私よりも三月年下なのですが、どちらともとても仲良くしてお

ります。ただ、将綱の方はお世辞にもあまり整理整頓ができる性分ではありませんで…景綱は全くその逆なの

で、よく二人して将綱が着物を脱ぎ散らかしなどすると叱っておりますよ(笑)。

45. ライバルと呼べる人はいますか?



 黄黒天吠丸様でございましょうか。私のお夏様に色目を使うなどと…!(メラメラ)

46. 家族仲は良い方ですか? また、どう思ってますか?



 良いと思いますよ。皆、腹を割って話し合える大切な家族でございます。

47. 当主様のこと、どう思っていますか?



 現当主、のことで宜しいのでございましょうかな。私よりも五ヶ月年下で、破炎丸兄者(イロモノ三兄弟長

男、ナマズ)の娘御の日和(右1上1・火髪土目風肌)が今は御鏡の二十一代目を継いでおります。名前のとお

り、春の日向のようなほんわかした印象の娘なのですが、これが中々のしっかり者なのでございます。私にと

っては妹のような存在でして、当主を継ぐことになった折にはあの子が随分立派になって、などと保護者のよ

うな心持になったものです(笑)。

48. 尊敬する人、憧れている人はいますか?



 破炎丸兄者、それと先代の獅子若兄者でございましょうか。破炎丸兄者は御鏡があの呪いを受けてから初め

て授かった漢の舞手でして、のほほんとしたお顔からは想像もつかぬほどの使い手でございました。

 獅子若兄者は大筒士として討伐先でも大変頼りになる御方でしたが、家事全般が得手で私の家事におけるお

師匠様のような方でございましたな。特に掃除の腕はあの方の右に出る者はおりませんで、小半時もあればあ

っと言う間に隅々まで綺麗になってしまうのでございます。あの技は未だに体得できておりません、精進せね

ば…。

49. 趣味・特技はありますか?



 問いの34と重複いたしますが、家事全般、特に洗濯でございましょうか。洗濯は力仕事でございますから、

女人のイツ花がするよりも私の方が宜しかろう、と言うことで、家にいる時は私が洗濯をしております。酷い

汚れが綺麗に落ちますと、大変に清々しい気持ちになります。

50. 初代様に一言お願いします。



 微力ながらこの豪毅、初代様の悲願が少しでも早まればと思い戦って参りました。そろそろ戦いからは退く

歳になりましたが、初代様のお志はけして忘れておりません。どうぞ安らかにお休み下さい。

51. ・・・お疲れではありませんか?



 いえいえ、何のこれしき。お気遣い有難うございます。そちらこそお疲れではございませんかな、お茶を淹

れましたので(と言いながらどこからともなくやたら美味しいお茶が出てくる)、少しお休みなされては。あ

あ、このお茶請けは先日私が作りました羊羹でございます。お口に合えば宜しいのですが(←やたら美味い)。

52. 小さいときの将来の夢はなんでしたか?



 私はやたらと使命感に燃える子供だったようでございます。ですから、朱点童子を倒して当家にかけられた

呪いを解く、というのが夢でございましたな。程なくして厳しい現実というものを知ることにはなりましたが、

私の進んだ道はけして無駄ではなく、下の者たちへと受け継がれていくと信じております。

53. 癖はありますか?



 左耳の耳飾を触る癖がございます。天界より御鏡の家へ参る折、母上がご自分の耳飾の片方を外されて、御

守りだから持ってゆけと仰せになりました。母上が守ってくださっていると思うと、どんな討伐先でも不思議

と恐ろしいなどとは感じませんでした。有難いことでございます。

54. 嘘は上手い方ですか?



 いや…恐らく不得手な方でございましょう。つかねばならぬ場合もあるでしょうが、なるべくならばつきた

くないものでございます。

55. 感情がすぐ表に出るほうですか?



 普段はあまり出ないほうではないかと思います。ですが皆に言わせれば、お夏様と初めてお会いした時の私

の顔といったら、それはもう普段からは想像もつかぬほどに緩みきっていたそうでございます…いやはや、お

恥ずかしい(照笑)。

56. よく食べる方ですか?味にはうるさい?



 体躯が大きいものですから、三度の食事は規則正しくしっかりと取らねばと思っております。口にするもの

は、どうせならば美味である方が宜しいでしょうが、食べるものに事欠かないということそのものに感謝せね

ばならぬと思っておりますので、文句をつけたことなどございません。

57. 好きな食べ物はありますか?



 よく似合わないと皆からは笑われるのですが、甘いもの、特に綺麗な細工菓子などが好きでして…。食べて

よし、眺めても美しいのですから、とても素晴らしいものだと私は思っているのですが(照笑)。

58. 好きな飲物は?



 濃いめの茶が好きなので、よく淹れて飲んでおります。

59. お酒、強いですか?



 どちらかと言えば強い方でしょうが、いわゆるザルと言えるほどの酒豪でもありませんので、五感が鈍らぬ

程度に嗜みます。この酒に合う肴は何であろうかと考えるのも、また楽しいものでございます。

60. 宝物はありますか?



 問いの53でも申しましたが、母上から賜った耳飾は私の大切な宝物でございます。それと、都の腕のいい職

人にあつらえてもらった洗濯板。あれはよく汚れが落ちて大そう重宝しております。

 何よりも、私に熱い愛の炎をつけて下さった赤猫お夏様…でございましょうか(ぽっ)。

61. 好きな動物は何ですか?



 これもよく、皆から似合わないと言って笑われるのですが、小さく可愛いものが好きでして…(照笑)。仔

犬、仔猫などが迷い込んできますとついつい餌をやって可愛がってしまいます。まあ、当家では生き物を世話

することも満足にできませんから、飼うことはできないのですが。相手の方も、不思議と私のこの大きくいか

つい面相に怖がることなく懐いてくれますので…あのような愛くるしい姿で懐かれますと、とても癒されます。

62. 嫌いな動物は?



 嫌いと言うよりは憎たらしいのが御器かぶり(ゴキブリ)でございます。どんなに私や獅子若兄者がぴかぴ

かに厨を掃除しても、どこからともなく現れて徘徊するので…己の掃除の行き届かなさを嘲笑われているよう

で。どうしたらあのもの達を寄せ付けなくできるのでしょうかな、しぶとさでは鬼よりもたちが悪いと思いま

す。

63. 好きな色はありますか?



 そうですね、淡く美しい色が好きでしょうか。薄桜、藍白、藤色など…これも、皆似合わないと言って笑う

のですが(照笑)。

64. 嫌いな色は?



 あまり派手な色合いは苦手ですね、控えめな色を好みます。

65.  座右の銘はありますか?



 愚公山を移す 、でしょうか。努めて怠らなければ大事は必ず成就する、という大陸の故事でございます。

常に精進を怠らなければ、必ずや当家の悲願は成就致しましょう。己の存在がその道の途中に過ぎぬとして

も、けして無駄にはならぬのです。

66. 今までに一番印象に残っている出来事を教えてください。



 あれは忘れもしない、1034年の2月のことでございました。紅蓮の祠の最深部で、赤猫お夏様と対峙した時の

ことでございます。どのような恐ろしい鬼が出てくるのかと槌を構えておりましたところ、この世のものとは

思えぬほどに愛くるしい女神様が黒猫に乗って現れ、私に向かって「あたしがつけてあげようか!身を焦がす

大輪の恋の炎をサ!」と仰ったのでございます。胸に稲妻がビビビっと走ったかのように思えました。それか

らのことはよく覚えておりません。とにかく私はその女神様、つまりお夏様にすっかり心を奪われてしまい、

毛づくろいをなさる仕草の愛らしさに見惚れ(※2000点の回復)、気がつけばお夏様は天に帰られておりまし

た。まるで夢のような時間であったと思います(ぽっ)。

67. 裏切られた!と思った瞬間は?



 そんなものは勿論ございません。当家には一族を裏切るような者などおりませんし、幸い、外の者からもそ

のような仕打ちを受けたこともございませんので。

68. これまでの人生で一番の失敗は?



 先ほど申し上げましたがお夏様と初めてお会いした折、私があまりにも骨抜きになってしまったので、当時

の当主様…獅子若兄者ですが、出した指示が全く私の耳に届いていなかった、とのことで大そう難儀されてい

たそうでございます。いやはや、お恥ずかしい(照笑)。

69. これまでの人生で一番の自慢話をしてください。



 お夏様のような愛らしく素晴らしい女神様と出会い、恐れ多くも交神させていただいたことでございます

(ぽっ)。

70. 今までの人生の中での懺悔をひとつどうぞ。



 懺悔、とは少し違いますが、私の息子は何故あのように頭髪のない状態で生まれてきたのかと…やはり私の

この髪型がおかしな方向へ発露してしまったのだろうかと、申し訳ない気持ちになります。本人は全く気にし

ていないようなので、それが救いですが…。

71. 「交神の儀」についてどう思っていますか?



 素晴らしいものであると思います(きらきらきら)

72. 交神のお相手、好きに選べるとしたら基準は顔?それとも遺伝情報?



 選ぶも何も、私のお相手はお夏様以外にはいらっしゃいませんので(きっぱり)

73. ここだけの話、交神相手の女神様のこと、どう思っていますか?



 愛くるしく、そして気高く素晴らしい女神様であると思います。あのような御方に見初められ、恐れ多くも

交神させていただき、我が身の幸運をこれほど感じたことはございません(ぽっ)。

74. 一族間でのロマンスについてあなたの考えは?



 そうですね、私がお夏様を心からお慕い申し上げているように、同じ一族を心から好いてしまうということ

もなくはないのでしょう。私の場合は幸運にもお相手が神であられたため、交神と言う形で想いが結ばれまし

たが、一族同士ではそれもままなりませんゆえ…当人達はさぞ辛いことでしょうな。私が口をさしはさむべき

ことではありませんが、当家が何のために戦っているかだけは見誤らないでほしいと思います。

75. 「外」の人とのロマンスについてあなたの考えは?



 まあ、これも当人達は辛い道を歩むことになりましょうな…特に残された外の者は。しかしながら、今まで

に当家でそのような話は聞いたことがありませんので…今ひとつ想像しづらいですな。

76. 「外」の人たちから、自分たちはどう思われていると思いますか?


 
 当家が呪いを受けたことは周知の事実であり、別段隠しているわけでもありませんから。都に出れば普通に

買い物をしたりも致しますが、どうやら内裏の方ではそうもいかないようですな。呪い、というだけで白い目

で見られるようでございます。当家の二十一代目、先ほど申し上げました現当主の日和ですが、やはりお勤め

で参内するとげっそりして戻ってまいります。可哀想だとは思いますが、私一人ではどうしてやることもでき

ませんゆえ…せめて疲れが取れればと腕を振るって美味しいものを作り、温かい風呂を用意しておきます。

77. もし、「外」の女性から告白されたらどうします?



 それはもう、私には心に決めた方がいらっしゃいますからときっぱりお断りいたします。優柔不断な断り方

では、却ってお相手に失礼になりましょう。

78. 好きな人はいますか?



 交神についての項目でも申し上げましたが、赤猫お夏様です(ぽっ)。

79. 好きなタイプは?



 お夏様です(ぽっ)。

80. 嫌いな人はいますか?



 当家には勿論そのような者はおりません。ですが、当家に対して悪意を持つような類の者…やはり内裏の方

には多いようでございます。そのような者達は到底好きにはなれません。

81. 嫌いな人や、苦手だな〜と思うのって、どんなタイプの人ですか?



 嫌いというわけではありませんが、細かいこと、特に整理整頓が苦手で散らかし放題のような者は、あれは

どうしたら直してもらえるのでしょうかな(苦笑)。言っても言っても直りませんで…。

82. あなたの周囲で一番変だと思う人は?どこが変ですか?



 日和よりも一ヶ月年下の紅美(火髪水目水肌の角娘)という者がおりまして、この娘がそれはまあ、直情が

着物を着たような気性でございます。拳法家という職業も手伝ってか、戦いでは梵ピンの重ねで突っ込めば何

とかなると思っているようで、本当に冷や冷や致します。とは言っても、そのような気性ですから根は真っ直

ぐで曲がったことが大嫌いという、気立てのいい娘ではあるのですが…女子なのですから、少しは己の体をい

たわった戦い方をしてほしいと思います。肌に傷がつこうが痣になろうが一向にお構いなしのようなのです。

抜けるような白い肌の持ち主であるのにと思うと、見ている私の方がおろおろ致します。

83. 文句を言いたい人に今ここでぶちまけてください。



 では、失礼して…将綱にはもう少し、草履を脱いだらそろえるとか、着物を脱いだらたたむとかいうことを

してもらいたいと思います(苦笑)。あれはあれで、素直な気性のとてもいい漢なのですが。この点が玉に瑕

と申しましょうか。

84. 年取ったなぁ、と思わず思ってしまうのってどんなときですか?



 そんなことは特にありませんでしたな。外に出れば鬼討伐、家に帰れば家事をしておりましたから。命が尽

きる直前まで家事ができるような体でありたいと思っております。

85. 「外」の人たちのこと、どう思っていますか?



 内裏の方はもうどうにもならぬのでしょうかな…我々はただ、呪いを解くという悲願のために戦っているの

でございますが、勝手に己の家名をあげるためだなどと思い込んであれやこれやと嫌がらせをしているようで。

…そういう行為は卑怯で漢らしくないと思うのですが。

86. ふたつの呪いが無かったら、どんな人生になっていたと思いますか?



 そうですね…当家の悲願は勿論、この呪いを解くことでございますが…呪いがなければ、私はお夏様とお会

いすることも、交神させていただくこともなかったわけですから…どんな、と尋ねられても想像がつきません。

父上と母上が交神なされたことで私が生まれ、お夏様とお会いできたことで今の私が在るのですから。

87. イツ花さんに一言お願いします。



 いつもいつも、家のことをしてくれて心より感謝している。今度この間作った煮物の味付けの秘訣を是非教

えて欲しい、あれはよかった。

88. 黄川人さんに一言お願いします。



 我々の呪いの根源たる者にかける言葉などは、特にありません。

89. 「氏神」さまについてあなたの意見を聞かせてください。



 氏神とは、幽世にありながら天界への出入りと地位を許されたものであると伺っております。私も氏神にな

るべく精進を怠ることはありません。氏神になれたとすれば、ずっとお夏様とご一緒できるのですから(きら

きらきら)。

90. 今一番欲しいものは?



 ありません。お夏様と交神させていただき、子を授けていただきました。これ以上何も望みません。強いて

言えば…我が息子にどうか髪の毛が生えてほしい、と(苦笑)。

91. 自分のこと、好きですか?



 恐れ多くも、お夏様に愛していただいたのです。嫌いなはずがありません(ぽっ)。

92. 人気ありますか?あるとしたらどの部分だと思います?



 はて…どうでしょうか。皆慕ってはくれますし、そもそも当家は皆仲良く過ごしておりますので。

93. これだけは誰にも負けない!といえるものは?



 漢として恥ずかしくない生き方をしたいと思っております。常に己とは磨くものであり、誰にも負けないと

思ってしまったらそこで終わりではないでしょうか。精進を怠らぬことこそ真の漢だと思っておりますし、そ

れに少しでも近づけるよう日々精進しております。

94. これだけは譲れない!というものは?



 あまり我を張るようなことは致しませんが…せめて履物はそろえて脱いでほしい、と(苦笑)。玄関はお客

人の目にも触れる、言ってみれば家の顔のようなものでございますから。

95. ・・・・・モテますか?



 そのような覚えは特にありませんが、私はお夏様に見初めていただいたのでそれで十分です(ぽっ)。

96. 贈り物をもらうとしたら、何が嬉しいですか?



 そうですね、よく汚れの落ちる洗濯板ですとか、塵をよくはける箒ですとか、よく切れる包丁などをいただ

けると嬉しいでしょうか。

97. こんちくしょー、家出してやる!と思ったことはありますか?



 そんなことは勿論、思ったことなどございません。

98. 口説き文句をひとつどうぞ。



 そ、そうですね…(赤面)。紅蓮の祠ではお夏様の方から口説かれてしまいましたので、実のところ女人が

喜ばれるような類の言葉など、何を申し上げたらよいのやらとんと想像がつきませんで…。芸がありませんが、

あなたを心よりお慕い申し上げております、ぐらいのことしか思いつきません(赤面)。

99. 見事朱点打倒を果たしました!そのときあなたの心境は?また、その後の人生についての希望はありますか?



 そうですね、呪いが解けて並みの人と同じになれた、ということは勿論嬉しいでしょうが…このままお夏様

とはもう二度とお会いできないのであろうかと、複雑な心持になっていそうではあります(笑)。ですがお夏

様からは恐れ多くも見初めていただき、子も授けていただいたわけですし、やはり嬉しいという気持ちの方が

先立つでしょう。何よりも一族の者たちとこの先も長く生きられる、ということが大きいと思います。その後

は…そうですね、皆が何をしたいかにもよりますが、この料理の腕を生かせるような生き方ができれば楽しい

と思います。

100. お疲れさまでした。最後に一言どうぞ。




 いえいえ、百も質問に付き合ってくださりそちらこそお疲れ様でした。皆様もご清聴有難うございました

(斜め45°)。腹具合はいかがですかな?そろそろ夕餉の支度にかかる頃ですが、もし宜しければ私が腕を振

るっておもてなし致しますが。





この質問は、「Kleine Stern」様(管理人:水月若穂様)からいただきました☆